相馬野馬追 観戦のすすめ

3年ぶりに有観客開催

新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、相馬野馬追は2年にわたって「御省略野馬追」として縮小開催を余儀なくされました。

今年は、3年ぶりに有観客開催となることが決まりました。南相馬市に緊急事態宣言等が発出されない限り、有観客で対応する方針とのこと。

これまでに被災地を応援してきてくれたみなさんが、野馬追を訪れる企画を用意してくれています。

note.com

震災以降、年々野馬追に来てくれる方が増えてきたのですが、今年からは僕が案内しきれないくらいには増えてきましたので、補足のためにブログを書いてみました。

 

 

今年の見どころ

相馬家の代替わり

今年の見どころの一つは、総大将を務める相馬家が代替わりをして、第35代の言胤君(ぎみ)が初陣を飾られます。文久4年以来となる、鎧兜の新調もされたとか。

www.minpo.jp

福島第一原発が立地する大熊町で12年ぶりのお行列

 

ちなみに、今年からは大熊町でお行列が再開されるとのニュースも。

「相馬野馬追」大熊での騎馬行列復活へ 12年ぶり古里凱旋:震災12年目ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet


相馬野馬追のタイムライン

相馬野馬追の観戦の難しさは、相馬藩領にまたがる広域で同時多発的に展開されることにあります。

相馬野馬追に参加する方々は3つの神社に供奉し、5つの騎馬会のいずれかに所属することになります。各郷ごとに出陣式を始めとする公式行事が行われています。詳しい日時や場所が明かされておらず、調べてもなかなかたどり着けないため、観戦するにもノウハウの蓄積が必要です。

そしてなにより、その見どころは、公式行事の裏側にあるのが厄介なところ。

自宅の神棚や仏壇に礼螺を吹く様子

 

 

お出迎えの騎馬と合流し、出陣する様子

 

ご出陣される皆さんは自宅で身支度を整え、馬にまたがり出発していきます。
震災を経て、家族や自宅を失いながらも、それぞれの想いや周囲の支えがあって、野馬追が営みとして脈々と続いています。

 

7月23日(土)

宇多郷 出陣式

野馬追初日。
観戦のおすすめは、総大将を擁する宇多郷の出陣式から。
朝8時過ぎには始まります。

宇多郷 出陣式 於 相馬中村神社

会場はこちら。社務所前が会場になります。

goo.gl

 

駐車場は相馬市役所や周辺公共施設の駐車場が開放されています。皆さん、二の丸の球場の外野の外を通り抜けて神社へ向かい人が流れていますので、ついていけば迷わず着けると思います。


f:id:kentadano:20220714075425j:image

 

goo.gl

 

宇多郷 御発輿

9時過ぎには騎乗の指示が出て、隊列を作り始めます。

総大将のご乗馬の様子

神社の鳥居を抜けてご出陣の様子

 

9時半にご出発の予定ではありますが、早めに到着して場所を確保しておくことをおすすめします。

この際の注意点を2つ。敷地内にちょっとした築山や盛土した場所がありますが、その上から観覧されていると怒られます。(見下ろしていないし少しくらい大丈夫だろうと思っても、だいたい馬上からどやされています)

2点目は出発の合図となる花火の音で馬が暴れることがあること。過去には馬が立ち上がってしまって放馬してしまい、参道を全速力で駆けて観客に突っ込んでいったことも。馬とぶつかると大怪我になりますので、ご出陣の瞬間だけは気を抜かないようにしてください。

北郷出陣式

初日の見どころ、続いては南相馬市鹿島区に場所を移します。
この日の見どころは、北郷騎馬会のHPにも概要が記載されています。

相馬野馬追 北郷騎馬会

今年の案内図を貼り付けておきます。
f:id:kentadano:20220714075543j:image

まずは、永田陣屋から。
菅野漬物食品さんの香の蔵を目指していただくと、その北側に臨時の駐車場があります。

出陣を前にする副大将の様子

北郷出陣式の様子

永田陣屋から北郷本陣へ向かうお行列
総大将お迎え

続いて、北郷本陣駐車場については、上記の地図を参考に探してください。
総大将のお行列が永田陣屋に入り、その後北郷本陣にご到着となります。北郷と合流し、引き続きお行列が進軍していきます。

正午頃から伝令の御使番が到着して、順次ご到着となります。

その後、13時過ぎに再びお行列が開始されて、鹿島区の市街地を進んでいきます。

鹿島区の市街地に馬を進める副大将

引き続き、宵宵乗り競馬(雲雀ケ原)や北郷神旗争奪戦(鹿島区真野川河川敷)、軍者会(旭公園)などが執り行われます。

 

7月24日(日)

礼螺奉納

24日。本祭の朝は、日が出る前から始まります。

礼螺を吹く様子

南相馬市の原町区 市街地中心部の旭公園から始まります。
各郷の螺役が揃い、礼螺が街中にとどろきます。

 

出陣(各参加者宅)

自宅に篝火が焚かれる

出陣を待つ執行委員長

執行委員長宅で礼螺を吹く様子

甲冑を身につける

甲冑を身につける

武運長久を記念して乾杯し、いよいよ出陣

各役柄に応じて、多くの方の出迎えに応じたり、はたまた、訪問をしたりしながら、その日の出陣に備えます。

 

ちなみに、わが家の40年前の野馬追の様子。玄関先で吹螺を吹いてもらっています。

家の中は、お侍さんでいっぱい。

家の外にもテーブルを設けて、訪れた方へ振る舞い。

ほとんど変わらぬ営みとして続いてきている様子が伺えます。

 

お行列・甲冑競馬・神旗争奪戦

ここまでくると、多くのみなさんが観戦されている部分は、全体のごくごく一部だったことがわかってくると思います。
みなさんがご覧になられるお行列や甲冑競馬、神旗争奪戦。

それぞれのご家庭に足を運んでみると、全く違った景色に見えているはず。

こちらは当日の交通規制と駐車場になります。

f:id:kentadano:20220714075556j:image

それから、意外と苦労するのが観覧席の座席表。中央の羊腸の坂を挟んで、移動が自由できないので、観覧チケットを確認して南北どちらから入場すればいいかを確認しておくと便利です。

標葉郷 凱旋

今年、ぜひ御覧いただきたいのは、標葉郷の凱旋のお行列。
「相馬野馬追」大熊での騎馬行列復活へ 12年ぶり古里凱旋:震災12年目ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
場所は大熊町大川原。7騎がお行列をするそうです。
12年前とは全く異なる景色が広がっており、まさに観るべき野馬追です。

 

※野馬懸を書く前に力尽きました。元気が溜まったら追記します。